越後の山第2弾は東谷山。
日白山のとなりにたたずみ、藪山で無雪期は山登りの対象にならないが、アプローチが比較的容易で北西斜面のパウダースノーが楽しめるということで、最近は多くの山スキーヤーが訪れる中越定番の山になっている。今回パウダー狙いで行ってみたのだが・・・。
前日、こちらも中越の山スキーの定番・阿寺山に行ってみたが、このところの降雨が凍り斜面は固く、その上に少しの新雪が 載っただけの斜面はでこぼこ。おまけにガスに覆われとても滑りを楽しむ状況ではなかった。うってかわってこの日、雲ひとつない青空と澄んだ空気、そしてさんさんと輝く太陽。眺望は最高、でも帰りは雪が 腐ってるだろうなー。
下山先になる貝掛温泉バス停広場に車をデポして路線バスで二居へ。バスには登山客が10数人乗りこんでいた。運賃はスキー持ち込み料含めて300 円。集落の入り口からシールを付けて二居峠を目指した。春のような陽気でスタート時点からハードシェルを脱いだ。峠の林道入り口でバスが一緒だった登山者のパーティが出発準備をしてい た。
九十九折りの林道を登った。事前情報だと二居峠で尾根にとりつくのに難儀するとのことだったがまったくなんの問題もなく峠に到着。(事前情報はおそらくここのことではないと思う)登山パーティもぞくぞく到着し一息ついていた。峠にある 東屋も完全に出ていて雪の少なさを物語っていた。下界には乾いたアスファルトの国道17号線が見えていた。
尾根にとりついた。さっそく名物の雪庇がお出迎えだ。積雪が少ないせいかそれほど発達していないよう。右側に は太陽に照らされた三国山脈が煌煌と輝いていた。とりわけ平標山と仙ノ倉山は圧倒的な存在感。奥には谷川連峰ものぞいていた。左側はコナラの樹林帯。雪庇を踏みぬかないよう林の中を進んだ。急坂を登ると送電線の鉄塔についた。
その後も細尾根は続いた。本来ならこの厳冬時期、尾根はカリカリで雪庇も発達しているはず。何箇所か厳しい登りがあったが条件によってはシール登高は難儀するだろう。この日はスキーアイゼンでクリアできたが、スキーを脱がなければならない状況が多いと思われる。
絶好の天気 |
絶景の三国山脈 |
東谷山手前のピークが見通せるところまで登ってきた。尾根が続いた。抜けるような青空に白い稜線が続いていた。寒さのかけらもなく、まるで2月とは思えない陽気。これは完全に春スキーだ。
細尾根を抜けるとブナとダケカンバの緩やかな斜面に。急坂がおわってひと安心。
トレッカーの一行がおりてきた。
美しい森の中を登っていった。そこへスキーヤーが滑り降りてきた。そのあとを大型犬が追ってきた。ふもとの駐車場で会った方だ。ふもとでは「 早く行こう」とせき立てていた犬。いっしょに頂上まで登ってきたようだ。これぞ 究極の散歩、犬もさぞかし楽しいだろう。
犬が・・・。 |
頂上に近づくにつれ山容はなだらかになった。見えた滑り降りる谷を左に一つのピークを越えたその先に人だかりが。あそこが東谷山頂上だ。右手には三国山脈の相変わらずの絶景。何度も立ち止まりその光景をカメラに収めた。これほどの絶景は二度と拝めないだろうと思われるほどの眺めだった。
山頂からは一足先にスキーヤーが降りていった。
下山のスキーヤー |
そして山頂へ。山頂からは360度の大パノラマ。東から時計回りに、越後三山、その手間に昨日登った阿寺山、そしてくっきりと米子沢を従えた巻機山、一ノ倉岳、谷川岳と続く谷川連峰、登高を見守ってくれた仙ノ倉岳、平標山、さらに背後には苗場山、神楽ヶ峰。とにかく圧巻の展望だった。できることならテント泊しながら夕景を狙いたい。
隣の日白山に続く尾根には登山者が数名見えていた。
日白山への稜線 奥には万太郎山 谷川岳ものぞく |
しばし絶景を堪能し滑降をスタート。降りる谷を間違えてあわてて隣の尾根にトラバース。無事ルートに戻った。滑った斜面が春のような日差しを浴びた西斜面ということでさすがに雪は腐っていた重たい雪で脚が疲れる。ただいい 感じの斜面でパウダーだとかなり面白そう。急斜面を滑った後は地形図を見ながら尾根筋をたどった。途中、沢を2か所トラバースして杉の植林地を抜けると国道が見えてきた。そうしてドンピシャで国道をくぐるトンネルのところ につい た。無事終了。
きれいな疎林帯を滑る |
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沢の下部は腐り雪 |
国道に出た |
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デポ地点へ国道沿いを滑る |
今回2月のパウダーを狙って来たが、一足先の春スキーとなった。仲間からケータイに続々下山連絡が入ってきたが 共通語は「春スキー。」
今シーズンは早く終わる感が濃厚だ。