2018-4-14 鍋倉山の森太郎

By , 2018年4月18日 10:32 PM

残雪の鍋倉山にいってきた。
久しぶりの山スキーだ。
昨年の2月にヒザの靭帯を損傷し6月に手術。
ケガから実に14ヵ月ぶりの再開ということになる。
ヒザはまだまだ違和感があって本調子といえないものの、なんとか無事に滑り降りることができた。

山スキー再開の地を鍋倉山にしたのにはワケがある。
この森の主、森太郎に会うためだ。
この大ブナの全容が見られるのは残雪期がベストだからだ。

 

越後湯沢から津南経由で向かった。
越後のスキー場は茶色の山と化していた。
豪雪で知られる津南も雪はほとんど消えていた。
117号線から鍋倉高原に通じる市道へ。
鍋倉山への拠点となる温井集落のあたりで田んぼの残雪がでてきたが今年は融雪が早いようだ。

温井集落の駐車問題で、今年から飯山市のご厚意で駐車スペースが設けられた。
この時期このスペースも閉鎖され除雪用の重機がとめられていた。

雪は切れていてスキーを担いでのスタート。
ショートカットできる林道にはかろうじて雪が残っていたが、スキーは履いたり脱いだり、倒木をくぐったりしながら抜けた。
関田峠に通じる県道には全く雪がなかった。


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スタート地点

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県道には全く雪なし

田茂木池の手前でスキーをはき、都立大小屋目指して雪原を進んだ。
小沢を渡ろうとすると竹竿に案内が付けられていた。
進入配慮のお願いだ。
昨年か一昨年ごろから通行規制が始まったとの話は聞いていた。
都立大小屋の周辺はれっきとした私有地であり、そこを次から次へとスキーヤーが通り過ぎる、またある者は野営をして不始末を起こす、困った末の苦渋の判断。
マナーは守りましょう。
関係者の方々が正規のルートにわざわざ赤旗を付けてくださっていた。
当初、小屋の前の尾根を登っての登頂を考えていたが、この赤旗をたどることにした。

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田茂木池手前からショートカット


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この先は私有地につき侵入禁止

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西から低気圧が近づいていたが、まだ青空がのぞいていた。
春の高原を気持ちよく進んだ。
オープンバーンを横切り緩やかな尾根にとりついた。
しばらく登ると夏道の分岐点に出た。
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これから登る尾根と向こうの尾根の間の谷に大きなブナが目立ちはじめる。
ここに森太郎と森姫がいる。巨木の谷と呼ばれているところだ。
尾根を進むと向こうの斜面にひときわ大きなブナが見えた。森太郎だ。
残雪の時期だからこその眺めだ。
緑の季節に来てもここまで見通しはきかない。
遠目ではその大きさはわからないが、周囲のブナと比べると一目瞭然。
周りのブナも結構な樹齢のブナなのである。
ヤドリギを従えながらも悠然と立つ姿は感動的だ。
森太郎には帰りに立ち寄ることにして頂上を目指した。

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森太郎が見えてきた


やはり大きな木だ

やはり大きな木だ

振り向くと苗場山、鳥甲山、毛無山が一望出来た。
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森太郎の谷の上部は美しいブナの森だ。
緩やかな斜面に大きなブナが立ち並んでいる。
この辺は新緑の頃もいいだろう。
トレッキングのパーティーが登ってきた。
スノーシューなしなので雪がしまっている証拠だ。
そして頂上到着。
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冷たい風が吹き付ける頂上を早々に後にした。
まずは森太郎へ向かった。
頂上から延びる沢筋をくだると美しいブナ林の緩斜面になり、気持ち良くシュプールをきざんだ。
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その先は一気に切れ落ちてボール状の谷になる。
そこに森太郎がいる。
しばらく横滑りしながら斜度の緩やかなところまで行った。
左側から回り込んだが、森太郎は沢筋の右岸のある。
森太郎には谷の上部右側に回り込むとすんなり行けるようだ。
詳しい人が滑ったのか、何本かのシュプールがついていた。
間近で見る森太郎は圧倒的な存在感。
根開けの穴も深かった。
無雪期は根に負担をかけるため近づけないが、すぐ近くまで行けるのも残雪のこの時期ならでは。
樹齢300年以上といわれる森太郎。
大きな枝が折れたりヤドリギがついたりと試練の時期を迎えているようだ。
しかし鍋倉の守護神として、森太郎にはいつまでもこの森を守り続けてほしい・・・と思わずにはいられなかった。
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森太郎の大きな樹幹


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まさに森の主の貫禄

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巨木の谷を抜けると若いブナの疎林帯となり、その先はオープンバーン。
適度なザラメ斜面を快適に滑り降りて今回の山行は終了。

ブナは芽吹きはじめていました

ブナは芽吹きはじめていました

久しぶりの山スキーはそれだけでも印象に残るが、森太郎がさらに想いを深めてくれた山旅だった。

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