2025年9月 四国霊峰巡礼 石鎚山・剣山

By , 2025年9月28日 8:52 AM



連休を利用して四国の霊峰を訪れた。せっかく四国に行くならと二大霊峰の石鎚山と剣山を目指すことに。
調べてみると、石鎚山は連続する鎖場があり、最高峰へ行くには際どい細尾根が待っているらしい。心の準備が必要。剣山はその奥にそれはそれは素敵な縦走路があるとのこと。期待は膨らむばかりだ。

徳島空港の往復チケットが取れたため、1日目は石鎚山玄関口の愛媛県は西条に移動し海鮮料理に舌鼓をうちながら前泊。翌朝石鎚山を目指した。下山後は夜な夜な徳島方面へ移動し、登山口の駐車場で仮眠して剣山を目指ざすことにした。

四国霊峰巡礼第一弾は石鎚山。
ロープウェイで成就社というお宮まで上がり、そこから登山が始まる。

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登山道に入ると立派なブナがお出迎え。四国のブナも素晴らしい。一旦コルまで下って登ると「試しの鎖(74m)」という最初の鎖場が現れる。多くの人々が登っていた。取り付いてみると岩がツルツルで足場が取りにくい。鎖は太く大きい。その連結部は大きな輪になっていてそこに足先を突っ込んで足場にすると具合がよかった。この鎖場を登るとすぐに登った高さと同じだけ反対側の岩壁を下る必要がある。まさに試しの鎖場だ。ここは簡単に巻ける迂回路がある。
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次に現れたのが「一の鎖(33m)」だ。先行して登っていたパーティの一人が中盤でかなり苦戦していた。なんども登ろうとするが足場が滑って逆にずり落ちてしまう。しばらく待っていたが横から追い抜いて登った。
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続いて「二の鎖(65m)」。鎖が垂直のように見える岩場に一直線にのびていた。途中ハングしているいやらしい箇所があって女性が難儀していた。相変わらず足場が滑りやすいため、鎖の連結部の丸い輪に足先を突っ込んで足場にしながら登った。要所に三角形の鎖がつけられていて助けられた。
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そして最後の「三の鎖(67m)」。こちらも急勾配に鎖が一直線に続いていた。ここまでで要領はつかんでいたが結構腕力が必要で登り切るまでに息も切れていた。今回すべての鎖場を登ったが、誤って上部から落ちたら大怪我以上になってしまうだろう。全鎖場に迂回路があるのでこのへんは自己責任で。三の鎖を登りきると石鎚神社におどりでた。ここが弥山(みせん)の頂上だ。
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弥山では多くの人が登頂を喜んでいた。インスタでよく見る弥山からの天狗岳も目の前だ。ガスがかかって幻想的だった。荷物をデポして天狗岳を目指した。途中の細尾根がよく見える。緊張しながら出発。強い風とガスがかすめる稜線を進む。尾根の左側は完全に切れ落ちている。右側の踏み道をたどった。しばらくいくと道はなくなりナイフリッジの岩場に誘導された。ここが核心部。横からの強風に煽られながら4点歩行で慎重に通過した。岩場を抜けると小さな祠が見えてきた。「天狗岳1982m」の看板。西日本最高峰に到達した。尾根の先には南尖峰1982mが見える。同じ標高でこちらも西日本最高峰だ。さすがは修験の山。なかなか登りごたえがあった。
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西日本最高峰
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南尖峰1982m こちらも最高峰
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弥山を振り返る
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復路は鎖場を迂回し、四国特有の高山植物に癒されながらの下山となった。
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トサノミカエリソウ
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ミヤマヒキオコシ
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ヒメシャラとブナ 太平洋側や西日本特有の組み合わせ
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ブナの森がお見送り
 

下山後は駐車場に隣接する温泉で汗を流した。温泉に入れば駐車料金は戻ってくる。

夜は明日の剣山に向けて大移動。高速で美馬に行き、貞光、一宇を抜けて山中に入っていくわけだが、これがなかなかの距離。道は暗いし細いしクネクネだしで結構疲れた。何ヶ所か「ヘアーピン」という標識があった(ヘアピン?)。見ノ越の駐車場には夜中に到着。結構な車がとまっていた。

 

四国霊峰巡礼第二弾は剱山。
辺りが明るくなってきた頃起床。駐車場は満車。さすがは百名山、人気の山だ。登山道は鳥居がある石段から始まる。劔神社で安全祈願して出発した。霧がかかる九十九折りの道を進んだ。神秘的なブナの大木が迎えてくれる。20分ほどで樹林帯が終わり視界が開けた。野営場を過ぎるとリフトの西島駅につく。
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野営場
 

ここからいくつかの道に分かれるがリフト降り場の裏手の道から入った。左手にはテンニンソウの群生やシコクブシ(トリカブト)を前景に剣山地の山々が美しいグラデーションを見せていた。
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テンニンソウ
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シコクブシ(トリカブト)
 

狛犬を過ぎると鳥居が現れ、まもなく劔山本宮についた。山頂ヒュッテとの間の階段を上がると広い大地に出た。木道を進むと剣山山頂の標識についた。西日本第2の頂だ。あいにくガスに覆われ視界はない。この先に次郎笈(じろうぎゅう)に続く雄大な縦走路が延びているはずだがまるで見えなかった。この縦走路を歩くのがこの日の目的だったが残念。視界がない中モチベーションが上がらなかった。
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残念だが次郎笈は次の機会にして山頂ヒュッテであめゆを飲んで下山することに。
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あめゆ
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山頂ヒュッテで30分ほど休憩して外に出るとガスが抜けたようだ。ダメ元で山頂の台地に行ってみると空が若干明るくなっている。山頂標識の方へ登っていくとじわりじわりと彼方の山々が浮かんできた。次郎笈をはじめ周囲の山々がすっきりとその姿を見せていた。次郎笈への縦走路もはっきり確認できた。幸運にも天気の女神が微笑んでくれた。次第に広がる青空のもと、次郎笈目指して至高の稜線歩きを堪能。次郎笈のどっしりとした山容は日本アルプスの山々にも引けを取らない。見事な光景を繰り広げていた。
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次郎笈がその勇姿を現した
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素晴らしい稜線歩き
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次郎笈の山頂から見る剣山の勇姿も素晴らしかった。剣山からの稜線は一ツ森を経由して尾根を分けながら谷へと深く落ちていた。稜線の奥には四国山地の山々が奥深く連なっていた。四国まで来た甲斐があり絶景を拝むことができた。山の神様に感謝だ。
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次郎笈から剣山
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一ツ森方面
 

下山は剣山に行く途中からのトラバース道を通った。振り返ると相変わらず見事な次郎笈が鎮座していた。しばらく進むと尖った岩の袂に建物が見えた。大劔神社だ。このシンボリックな岩は「御塔石(おとうせき)」と呼ばれ、剣山の名前は剣のようなこの御塔石が由来らしい。御塔石から湧き出た御神水で喉を潤した。そうして群生するシコクブシ(トリカブト)やシコクフウロに癒されながら下山し、四国霊峰巡礼の旅は終了した。
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トラバース道から次郎笈
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大劔神社と御塔石
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シコクフウロ
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