11.07.08-12 カムチャッカ花紀行
2011年7月8日(金)~12日(火)
ツアーに参加してカムチャッカの花を見てきました。ロシア領のカムチャッカは千島列島を北上すると突き当たるユーラシア大陸東端の半島で、火山の半島である。渡航にはビザが必要で、通常はハバロフスク経由で行くが、今回は直行便で州都ペトロパブロフスクへ行き、ホテルに4泊して周辺の花巡りである。ペトロパブロフスクはアバチャ湾に面し、周辺に低湿地が広がり、背後にアバチャ山(2,741m)やコリャーク山(3,456m)がそびえている。いずれも火山特有の円錐形で美しい山である。
日本では2,000~3,000m級の高地か北海道でしか見られない高山植物が、標高900mあたりで見ることができ、日本で稀少化しているものも見ることができる。総じて、北海道の高地や道東と分布が重なっているが、近縁種であったり日本国内では見られないものもある。
今回はフラワーウォッチングのツアーに参加したが、登山のツアーもあるようだ。火山なので単独峰が多く、雪渓が多く残る富士山に麓から登ることを想像してしまう。
世界自然遺産に指定されたとはいえインフラ整備は未だ未だで、いわゆる観光地化はしていない。これは山屋としては喜ばしいことであるが、人によって判断が分かれるところである。
アプローチは6輪駆動車による完全なオフロード走行で、河原や雪渓の上を揺られながら行く。また、蚊が多いのでその備えは必須です。私は持参の沢用防虫ネットのお世話になりました。
到着の翌日9日、花紀行1日目はビリューウチンスキー山の麓へ。峠で6輪駆動車を降りると周りには雪渓が残っていて、キバナシャクナゲの大きな群落が目に付く。いわゆる雪田植物が多く、ほかに北海道では稀少化しているエゾノゴゼンタチバナ、国内にはないペイントブラシなどを見る。帰りは、温泉プールでくつろぐ。もちろん水着着用です。
花紀行2日間は、アバチャ山の麓へ。ダートの道から融雪時の河原に入り、雪渓上を進んで標高800m付近のベースキャンプで6輪駆動車を降りる。ガスっていたが、晴れていればアバチャ山頂が間近に見えるところである。
火山性の礫地の斜面にお花畑が広がっており、ウルップソウ・キバナノアツモリソウ・トチナイソウ・チョウノスケソウなどが見られる。人なつこいジリスがいて、マスコット扱いされていた。
帰途、市内のスーパーマーケットとフリーマーケットに寄る。フリーマーケットではスモークサーモンやオヒョウのスモークが並んでいる。カナダ製と違って香辛料は使っていないが、塩味が強い。また、イクラも残念ながら醤油味ではなく塩味である。
花紀行3日目はオプションで、午前中の川下りに続き草地や湿地帯の湖のあるヴァチカゼツ高原へ。着いたところは標高500mくらいで、最初の沼の周りには湿原でおなじみの高山植物が咲いている。灌木のコースを行くと草原に出たが、そこはウルップソウの大群落だった。この標高でと驚く。
ほかにも、私の育った道東ではおなじみのオオバナノエンレイソウが咲いており、足下には美味しそうなギョウジャニンニクが。
現地受入体制は、常時通訳兼ガイドと植物ガイドが付いていて,不自由を感じることはなかった。