Category: 沢登り

月山釣り山行

By , 2016年8月22日 7:28 PM

初日:8月6日
岩魚のいる川に行くのは一苦労である。この日はAM2:00に寒河江SAに着いて仮眠し、6:00に起きて月山の姥沢に行き、月山リフトに乗り、1520mまで上がる。1984mの月山まで登り、東側の肘折温泉ルートを980mまで下り釣り場になる立谷川に13:00頃に着いた。登ったり、下ったりと5時間ほど歩いたあとだがまだ仕事が残っている。ツエルトを張りテント場の設営し,薪集めといろいろ忙しい。これらを片付けてやっと一息である。
さて、目的の釣りは夕方小1時間ほどで7匹と魚影の濃さに感激。毛鉤を打つところ必ず魚が出て竿を竿をしならせる。20センチクラスが釣りごたえがあっていい。釣り上げた岩魚のうち2匹は夕食の一品とした。おかげで岩魚の塩焼き、ミズと高野豆腐の煮物、ごはんと品数のそろった夕食となった。


清川橋

清川橋が釣りのスタート地点


岩魚釣りの始まり

岩魚釣りの始まり


夕食の準備

夕食の準備


ミズと高野豆腐の煮物を作ってみました

ミズと高野豆腐の煮物を作ってみました

2日目:8月7日
今日の行程は標高980mテント場から1350m清川行人小屋までの沢登りだ。雪渓の雪解け水が各支流から流れ込んでいるのか水量は多く、落ち込みには白波を立て流れているが注意すれば遡行には問題ないだろう。昨日、探ったポイントは狙わずに新しいポイントに毛鉤を打っていくと早々に2匹掛けキープする。下処理をして、塩,コショウ、ローズマリー、ニンニク、オリーブオイルを合わせたものに漬けてザックにしまう。今晩のおかずは手に入れたのであとはキャッチ&リリースで釣りを楽しむ。巨岩帯などで落差が大きい流れのあとでも魚がいて、どうやって巨岩を超えるのか不思議に思う。それにしても魚が多い。なかなか釣りをやめられない。1300mまで上がり詰めのルートを捜す。地図で傾斜の緩いところを捜して進むが最後は根曲がり竹の藪の中を15分ほど進み、清川行人小屋に13:00に到着して月山釣り山行は終了となった。その晩はひとりだけの小屋でウイスキーを飲みつつ山行を振り返る。明日は月山に登り、姥沢に戻るだけだ。

朝の沢

朝の沢


支流からは勢いよく水が流れ込んでいた


岸に上がり詰めに入る

岸に上がり詰めに入る


清川行人小屋

清川行人小屋


岩魚のホイル焼きと鶏肉と高野豆腐の煮物

岩魚のホイル焼きと鶏肉と高野豆腐の煮物


P8080251

まだ花のきれいなところがありました。

 

 

 

 

丹沢 勘七の沢 0731

By , 2016年8月15日 7:21 PM

P7310145 (2)初級の沢で紹介されている丹沢の勘七の沢にはF1~F5までの滝があり、これらは落ちたら大変なケガをするだろうなと思わせる滝であるが残置ハーケン、分かり易いホールドがあるので初級の沢なのだろう。それでも登って行く中でドタバタで緊張したのがF4の10mの滝だった。
F4はまず手前の2m滝を登った後に土付きの急な斜面に取り付く。F4に取り付くには凹凸がなさそうな一枚岩の斜面をトラバースするルートになっいて滑ったら3~4m下まで落ちるのでビビりが入る。トラバース後は立ち気味の岩壁を登るのだがホールドが少なそうに見え登れるのか不安になった。巻き道を捜しに急斜面を登るが見つからない。ルートには残置が数か所あるので通過できるだろうとロープを出す。私達は太さ4センチぐらいの立ち木でセルフビレイを取って斜面に立っているのでロープ出すのも一苦労。ザックから出し、落とさないように絡まったロープほどいて準備が出来た。一枚岩のトラバースラインに入ると斜度ではあるが使える凹凸あって滑ることなく通過出来た。途中、ランニングビレイを2か所取ってF4下の棚に着いたところで一息つたと思ったら、ビレイをしているMさんが絡んだロープを直すため止まれと指示があり、10分ほど足場の悪い場所で待ことになる。ロープの絡まりが直り、登り始める。思っていた以上にホールドがたくさんあり、楽に登れ気持に余裕が出てきた。5mほど上がり右のリッジに入り両側の壁を使い登っていくが最後のところはホールドが少なく慎重に登り滝の上に出た。F4を見たときは岩のホールドが無い様に見えて、ビビりが入ったが上がったときは思わずガッツポーズしてしまった。
その後、小雨が降り出したので後のF5,12mの滝は巻いて、大倉尾根に詰めあがり勘七の沢の遡行は終わった。初級でも滝登りはドキドキするなあ。

 

 

 

ゆで豚の塩レモン(東黒沢編)

By , 2016年7月31日 1:08 AM

チャッチャラララララチャンチャンチャ~ン♪

『ロークの火遊びレシピ(ゆで豚の塩レモン)』

疲れた体にレモンの酸っぱさと、塩分が沁みわたる~

ビタミンB1で疲労回復!

何といってもアルコール飲料が進む~

疲れた体にレモンの酸っぱさと、塩分が沁みわたる~し、しかもビタミンB1で疲労回復!、そして何といってもアルコール飲料が進む一品です

≪材料≫

・豚バラブロック(イタリア産ホエー豚!

・塩

・胡椒

・牛乳

・脱水シート(http://www.pichit.info/)

≪作り方≫

その壱) 豚バラ肉ブロックにタップリの塩を擦り込み、ラップをかけて冷蔵庫で1日くらい寝かせる。

その弐) 豚バラ肉ブロックを冷蔵庫から取り出して水分をふき取り、塩とこしょうを振りかける。

その参) 豚バラ肉ブロックを脱水シートに包み、冷蔵庫で最低3~4日寝かせて十分に脱水する。(この際、水分で膨らんだら脱水シートは取り替えましょう)←ここ重要!

その四) 豚バラ肉ブロックを冷蔵庫から取り出し、1/20程度の分量の牛乳を混ぜたタップリの湯で、1時間程度茹でて臭みを抜く。

その五) 臭みを抜いた豚バラ肉ブロックを湯から取り出して十分に冷まし、冷めたらキッチンタオルに包んで冷蔵庫内で乾燥させて完成!

≪食し方≫

その壱) レモン(たぶん千疋屋で購入)の1/4スライスに、タップリ目に塩(瀬戸の焼き塩)を振る。

その弐) 豚バラ肉ブロックを5mmほどの厚さに切り分ける。

その参) 切り分けた豚バラに塩レモンスライスを載せて美味しく頂く。

DSCF0404

 

≪応用例≫

●作り方の(その参)で十分に脱水した豚バラブロックを燻蒸してスモークベーコンに!

●更に脱水してパンチェッタに(おしゃれ~)!

いずれも腐敗しないように注意が必要です。
●塩レモンで食す他にも、スライスして焼いても美味しいですし、炒めてキムチチゲに入れても最高です。

DSCF0425 め~め~うめ~ 乾杯!!

(う~既に入ってないし~~~!すすみ過ぎ!!)

西丹沢 モロクボ沢

By , 2016年7月27日 5:49 PM

山行計画を見たらあれ?モロクボ沢が私の担当になってる。予定したつもりはないのだが、Kさんが参加希望をしているので2人で行って来た。Kさんとの沢は初めてなので技量は分からないが初級のモロクボ沢なら大丈夫であろう。初見であったモロクボ沢は難しいところは無く、30m大滝を巻くのが悪いだけであとはロープいらずの沢であった。源流釣りで沢慣れしているKさんにはパンチに欠ける沢だったかもしれない。今度は登坂要素のある沢だね。
西丹沢自然教室(8:15)~入渓点(9:10)~畦ヶ丸(12:00)~西丹沢自然教室(14:15)

 


30m大滝

30m大滝


釜のある滝が多かった。

釜のある滝が多かった。


泳ぐKさん

泳ぐKさん


コケ生した沢の源頭部

コケ生した沢の源頭部


詰めの斜面

詰めの斜面


畦ヶ丸山頂

畦ヶ丸山頂がモロクボ沢の終点

 

0703 小坂志川

By , 2016年7月9日 5:55 AM

Nさん企画の小坂志川沢登りは武蔵五日市駅から秋川に沿ってバスで笹平で下車。小坂志林道を歩き入渓する。生藤山を通る首都圏自然歩道に詰めあがり和田峠に向けてバスで高尾駅に戻る計画だ。参加者はN,M,Sの3名。nisshyさんは風邪で直前でキャンセル。せっかく行動食に完熟バナナのケーキを用意したのに残念である。小坂志川の記録をネットで探したが遡行図は見つからず沢の概要がわかる程度。Nさんからの情報もないので今回はリーダ任せにしてしまおう。沢は困難な滝もなく、平坦な沢の道を歩いている様相。歩いていると渓流魚が足元を走り、いい感じである。深めの釜でラッコごっこをしたり、ミニゴルジュの突破など気楽に遡行する。そろそろ詰め上がろうと枝沢の数を確認しながら上がって行ったが最後になってあれ、どっち?と沢の分かれ目で迷ってしまった。GPSで確認すると稜線まで70mほど下にいることが分かりコンパスで稜線の方向を確認できたので詰め上がることを検討する。回りを見回すと左の沢を詰めると尾根にうまく乗れそうなのでこのルートで登って行く。登っていると獣道があり鹿の足跡を辿って行くと登山道に出ることができた。ここから陣馬山高原下バス停まであと1時間30分の頑張りでゴールだ。小坂志川はい大きな滝は無いのが残念だが武蔵五日市側から入って反対側の高尾に抜けるルートで歩いたのはよかった。やはり入山と下山で場所が違うと山旅をしたなーと充実感があっていいものだ。


のどかな沢歩きが続きます

のどかな沢歩きが続きます


滝は小さいものが多い

滝は小さいものが多い


ラッコ遊びするMさん

ラッコ遊びするMさん


ミニゴルジュ

ミニゴルジュ

 

0626 逆川沢登り

By , 2016年6月30日 10:23 PM

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奥多摩駅にS,M、O(服のサイズじゃないよ)が集まり今日の沢登りが始まった。行く沢は日原川水系逆川。川苔山まで詰めあがる沢だ。私は19年前に来ており記録を調べたら16時に川苔山に着き、18時に下山、それから八王子で飲んで、カラオケをして解散したのが0時過ぎ、いやー元気でしたね。その時はリードする技術がなったが時は過ぎ、今回は私がリードするドキドキ、ワクワクの沢登りの始まりである。川乗橋バス停で下り多くのハイカーに交じり川乗林道を30分程歩くと入渓点だ。ガードレールの脇の踏み跡を下り川に下りる。岩を超え流れの中を進んで行くと沢登り気分が盛り上がりいい感じ。すぐに3m、7mの連続した滝が現れる。7mの滝の落ち口からの勢いのある水流にビビり、ルートである右壁を見極められずに巻きを選択。巻きは急斜面のトラバースがあって落ちたらアウト、ヒヤヒヤしながらクリアする。しばらく巨岩帯を進むと釜のある滝が現れる。4mの滝は腰までの深さの釜を渡り取り付くが足場が悪く、残置シュリンゲを使って、何とか超える。幾つかの滝を超えていると全身濡れて体が冷える。Mさん、Oさんは濡れることを気にせずに遡行を楽しんでいるが鶏ガラ体形の私は体の震えが止まらず、低体温症の初期状態、あ~やだやだ、寒いぜ。冷え冷えの体で進み大ダワ沢との出会いを過ぎると7mトイ状の滝が現れる。出だしは凹凸の少ない平らな面で小さな凹みを利用してステミングで登るも足を滑らし落ちてしまった。冬に痛めた肩をひねり、アー痛い。再度トライで登り切る。Oさんはフリーで登り、Mさんは確保して登る。岩にシュリンゲを引っ掛けて確保支点とする。不安定な確保支点だが荷重方向にすっぽ抜けないことを確認したから大丈夫だろう。フォーローすることなく難なく上がった。ここまでロープを出さず来れてMさん、Oさんうまいです。このままロープを出さずに行きたいところだが10mの大滝が待っている。大滝を前にすると高さを感じる。下から見ると半分ぐらい登ったところに残置シュリンゲがあり、その上は無いようだ。ランニングビレイポイントが1か所なのがちょっといや。まぁ登れるだろうと「そんじゃ行きますか」と声をかけ登り始める。5mほど登りシュリンゲのかかっているハーケンにはカラビナが通らず、不安な残置シュリンゲでランニングビレイを取り、先に進む。上はガバホールドだらけで楽に登ることができた。大滝を登るとウスバ林道に出られる。残る2人が登り、時間を見ると13:30を過ぎていて川苔山まで詰めると17:00を過ぎると判断し遡行を終了した。逆川は釜から登る滝、10m大滝と面白要素があり、ビショビショになる沢だった。冷えてまいったが猛暑のときに来たら楽しいかもしれない。機会があれば次は川苔山まで詰めることを目標にしよう。

 

 

 

モミソ沢、沢登り 0612

By , 2016年6月16日 10:48 PM

6月12日 NさんリーダでIさん、Mさん、Sの4名で丹沢モミソ沢に行ってきた。
丹沢の入口大倉から1時間30ほど歩いて入渓場所の新茅橋に着く。沢に下りると懸垂岩と呼ばれる岩壁があり10人ほどの団体が取り付いている。モミソ沢は懸垂岩の横に入口がある。沢に入ると両脇は岩壁のゴルジュで幅は4mぐらい。光はが差し込まないので印象は暗い。水は少なく狭いゴルジュの沢が続いている。難しいところは無く1時間ほどすすむと水が無くなりゴルジュ歩きとなってしまった。面白かったところは3段mの滝と最後の枯れ滝で残置を使ってリードできたところかな。8m枯れ滝はIさんが初リードにトライしてクリアできずに自身喪失。次に私が登ったが最後の乗り越えで余裕のあるムーブが出来なかったのが残念で使えるガバに気づかなかったのが敗因だった。ここを過ぎると平地になり大倉尾根を詰めるだけである。遡行図ではもう少し沢を登って大倉尾根の乗るのだが滝はなく、つまらないので早めに尾根に載るルートを取ったら30度ほどの斜面をひたすら登るしんどい幕切れとなった。


Iさんのトライ。結果は

Iさんのトライ。結果は


稜線への登りは辛かった。

稜線への登りは辛かった。

0521 西丹沢、マスキ嵐沢沢登り

By , 2016年5月23日 9:54 PM

沢登りの誘いのメールを出したら逆にMさん所属の会の沢登りのお誘いを受けて参加させて頂いた。場所は西丹沢、中川川、大滝沢マスキ嵐沢、1級の沢である。全員が初見で滝の処置、ルートファインディングと皆で確認しながらの遡行はシーズン始めにはいい感じだった。会が変われば沢登りの楽しみ方も色々でこの会はシャワークライム、泳ぎは必須で水と戯れて沢を楽しむスタイルであった。私は体がすぐに冷えてしまうので濡れない主義である。今日は沢慣れしたメンバーでロープを出すことも余り無くサクサクと遡行でき、詰めは藪も無くぴょこんと稜線に出る。そこからの下山路ははっきり付いており、至れり尽くせり感があったマスキ嵐沢であった。
小田急線新松田駅(7:30)~大滝沢バス停(8:30)~マスキ嵐沢(9:30)~稜線(12:30)~西丹沢自然教室バス停14:20

 


丹沢の沢は案内がいい

丹沢の沢は案内がいい


こんな滝や

こんな滝や


こんな滝がありました

こんな滝がありました

2015年9月19日-21日 黒部針ノ木跋渉記

By , 2015年9月21日 12:01 PM

「跋渉(ばっしょう)」とは、山野を越え、川をわたり、歩き回ること。
今回の山行を見事に表現した言葉だ。

それではさっそく黒部針ノ木跋渉記をはじめることにしよう。

*************************************

昨年の夏、ネットサーフィンで見つけた「針ノ木谷古道復活」の文字に目がとまった。古道に沿って流れる針ノ木谷といえば黒部湖にそそぐ憧れの沢。いつかは行ってみたい渓だった。

「針ノ木峠は古くから知られている。1584年(天正12年)12月に小牧・長久手の戦いで豊臣秀吉と戦った徳川家康に、豊臣方との和睦を破棄し徹底抗戦を主張するため富山城主の佐々成政が浜松城へ面会に行ったとき、百人程の一行で厳冬期のこの峠を越えたとされている。」<ウィキペディアより>

その後、黒四ダムの建設によって平の渡しになってからは登山者もめっきり減り、この道は廃道同然となっていた。若いころ小屋への荷揚げで毎週のようにこの道を通ったという船窪小屋を営む松沢宗洋さんが、古道を復活させたいと数年前に2年がかりで開通させたという。歴史の重みをひしひしと感じるこの古道に興味津津となった私は、昨年の夏休みにこの古道を辿る単独行の計画を立てた。しかしながら雨続きの悪天候で断念となった。

あれから1年、今年のシルバーウィークにメンバーからほぼ同ルートの計画案が出された。直前になってリーダーがキャンセル。繰り上げで私がリーダーとなり、サブのSさん、Nさん、T嬢、S嬢の5名のパーティーで絶好の天候のもと計画は実行された。

<日程>
■9月19日(土)
扇沢⇒黒部ダム⇒平の小屋(泊)

■9月20日(日)
平の小屋⇒平の渡し⇒針ノ木谷⇒船窪出合(泊)

■9月21日(月)
船窪出合⇒針ノ木沢遡行⇒針ノ木峠⇒針ノ木雪渓下降⇒扇沢

<1日目>
扇沢からトロリーバスで黒部ダムへ。スキーヤーでごった返す時期にしか訪れたことがなかったが、今日は観光客に交じってのんびりだ。ダムを渡って黒部湖沿いの道を歩き始めた。ロッジくろよんの先の山道はハシゴのアップダウンありで結構歩きごたえがあった。対岸の雲が晴れて針ノ木岳とスバリ岳が姿を現した。黒部湖では遊覧船の「ガルベ」がひっきりなしに往復していた。あれで小屋まで乗せていってくれないものか。途中何本かの沢を巻きながら進んだ。小屋手前の中ノ沢で毛ばりを流してみた。さっそく反応があった、が痛恨のバラシ。イワナはいる。のんびり歩いたおかげで4時間半かかって平の小屋に着いた。かなり立派な小屋だ。


沢を渡る

沢を渡る


丸太の橋

丸太の橋


梯子の階段

梯子の階段


針ノ木岳とスバリ岳

針ノ木岳とスバリ岳


遊覧船「ガルベ」

遊覧船「ガルベ」


平乃小屋

平乃小屋

 

チェックインしてほどなく、イワナの様子を見にヌクイ谷へ。河口から釣り上がった。水量が多く流すポイントは少ない。淀みのポイントを見つけて毛ばりを浮かべた。黒い影が毛バリに飛びついてきた。手繰り寄せると精悍な顔つきの8寸の天然黒部イワナだった。カメラに収めてそっとリリースした。

ヌクイ谷の河口

ヌクイ谷の河口


黒部イワナ

黒部イワナ

その夜、小屋犬のモモが盛んに吠えていた。どうやらクマがたずねてきたようだった。

<2日目>
6時の渡しで対岸へ渡った。山歩きで船に乗る機会もなかなかない。対岸で上の廊下と奥黒部ヒュッテに向かう2組と別れ我々は針ノ木谷へ進んだ。

出発準備

出発準備


時刻表

時刻表


乗船場

乗船場


小屋方面へ戻る

小屋方面へ戻る

 

まもなく避難小屋を過ぎて谷へ回り込んだ。しばらく進むと日の出前の薄暗い中に輝く針ノ木谷が見えてきた。針葉樹林を流れる開けた沢だった。

避難小屋

避難小屋


避難小屋内部

避難小屋内部


針ノ木谷現る

針ノ木谷現る

 

昨夜、小屋の主人から仕入れた情報をもとに、今日は下流域で3手に分かれての釣りとなった(古道入口の上流に魚止めがあり、ビバーク地点の船窪出合付近に魚はいないとのこと)。Nさんは下流域の本流、Sさんは南沢、私が南沢出合上の本流。結果はNさん2尾、Sさん1尾、私が10数センチ3尾(全てリリース)だった。人煙乏しい深山としては甚だ魚影が薄いと言わざるを得ない。ここまで山奥の渓を釣っていると確実に魚が走るものだが、それがまったくなかった。期待は大きくはずれた。とはいえNさんは渓流釣りが今回で2回目。今夜のごちそうを手に満面の笑みだった。Sさんが釣った最大サイズを筆頭に3尾をキープして遡行を開始。

最初の橋(この先に橋はなかった)

最初の橋(この先に橋はなかった)


古道の看板

古道の看板


南沢出合

南沢出合


針ノ木谷本流の渓相(南沢出合上流)

針ノ木谷本流の渓相(南沢出合上流)


針ノ木谷本流の渓相(南沢出合上流)

針ノ木谷本流の渓相(南沢出合上流)


沢に遊ぶ女子

沢に遊ぶ女子


南沢出合下流

南沢出合下流

 

古道(高巻道)までは針ノ木谷の渡渉が何度か続いた。登山靴では難儀すると思われた。途中、単独者数名と、パーティ数組と出会った。マイナーコースとはいえさすがは北アルプスである。谷筋を1時間ほど進むといよいよ古道の高巻が始まった。もう少し谷沿いにつけてくれればと思うぐらい標高を上げる巻道だった。3、40分ぐらい登ってようやく水平のトラバースになった。古道でも2名の単独者に会った。古道の入口から1時間ほどで視界が開けてガレ沢に出た。ここで高巻終了である。

針ノ木谷の遡行

針ノ木谷の遡行


針ノ木谷の遡行

針ノ木谷の遡行


高巻終了地点のガレ沢

高巻終了地点のガレ沢


高巻道の看板

高巻道の看板

 

高い陽がじりじりと照りつける中、巨大な岩が我々を睨みつけていた。そのたもとの白い花こう岩の中を針ノ木谷の清流が流れていた。何度か渡渉してビバーク地の船窪分岐に到着した。

睨みつける大岩

睨みつける大岩


渡渉

渡渉


船窪分岐

船窪分岐

 

当初は沢定番のタープ泊の予定だったがそこは標高1850m。相当の寒さが予想されたためワンポールテントとツエルトを持ちこんだ。さっそく設営し焚き木集めに奔走した。すっかり陽が落ちたころ上流から男女2名が下りてきた。彼らはわれわれの対岸にテントを張っていた。さあお楽しみ、いよいよたき火の時間だ。薄暗くなったころ火を入れた。

ワンポールテント

ワンポールテント


ツエルト

ツエルト

 

たき火を囲んで至福のひと時が始まった。たき火に渓の恵みをかざし、ビリー缶を無造作にぶち込んだ。今夜のために持ち込んだウィンナーとマシュマロを焼き、Sさんが持ってきた唐揚げをフォイル蒸しして酒のつまみにした。マーボ春雨とイワナの塩焼きで腹を満たしてからもどんどん酒がすすんだ。〆はイワナのコツ酒。こうして楽しすぎるひと時が過ぎていった。

渓の恵み

渓の恵み


楽しい楽しいたき火の時間

楽しい楽しいたき火の時間


たき火

たき火


たき火にはビリー缶がよく似合う

たき火にはビリー缶がよく似合う

 

<3日目>
朝4時に目が覚めた。あたりは真っ暗で、谷間にのぞく星空のもと渓の音だけが響いていた。メンバー達はまだ夢の中だ。たき木に火を入れ暖をとった。沢水を汲んだビリー缶をたき火に放り込んだ。5時も過ぎ、しばらくたってから空が白み始めた。渓が目覚めてきた。そのころメンバーが起きてきた。たき火で沸かしたお湯でコーヒーをすすった。朝のたき火も心地がいい。対岸の二人は早々に発っていった。スープパスタで朝食をとりながらのんびりと過ごした。撤収が終わり出発は7時過ぎになった。

今日は沢伝いに700m登り、針ノ木雪渓を1100mくだらなければならない。沢装備でのスタートだ。朝陽がそそぐ美渓を歩くこと20分ほどで針ノ木沢出合いに着いた。出合い付近には一斗缶がある絶好のテン場があった。

遡行開始

遡行開始


針ノ木谷源流を行く

針ノ木谷源流を行く


針ノ木本谷出合の標識

針ノ木本谷出合の標識


ビバーク適地

ビバーク適地

 

最初は巻道を進んだが一旦渓に下りてからは積極的に水線をたどった。小釜の巻きや小滝のシャワークライミングなど楽しい沢登りとなった。巻道を下るご婦人お三方を横目に軽快に登っていった。谷間から稜線がのぞきこれから向かう針ノ木小屋が小さく見えていた。Nさんは小屋のラーメンを楽しみにしていた。2時間ほど登ると水流も細くなりやがて消えていった。「水」と書かれたところが最初の一滴だった。谷筋から山道に変わったところで登山靴に履き替えた。

針の木沢を攻める

針の木沢を攻める


小滝のクライミング

小滝のクライミング


小滝のクライミング

小滝のクライミング


小滝のクライミング

小滝のクライミング


小滝のクライミング

小滝のクライミング


小滝のクライミング

小滝のクライミング


針ノ木小屋が見えてきた。遠いな~。

針ノ木小屋が見えてきた。遠いな~。


水場の記し

水場の記し


最初の一滴

最初の一滴


小屋までまだまだだね~。

小屋までまだまだだね~。

 

「痛っーーー!!!」S嬢が叫んでいる。ハチにさされたようだ。親指と人差し指の間の付け根が腫れている。痛みでしばらく唸っていたがやがて収まったようだ。一時はどうなることかと思ったがなんとか再スタート。

登るにつれて木々が色づいてきた。紅葉の先鋒はナナカマドだ。赤い実とともに葉が真っ赤に染まっていた。正面に見える針ノ木岳山麓は赤や黄に色づき秋空に鮮やかに映えていた。森林限界を超えたころ振り返ると我々が辿ってきた沢筋が谷底からはっきりと確認できた。よくぞ登ってきた、と感慨もひとしお。最後の胸突き八丁を登りきるとようやく針ノ木小屋に躍り出た。

ナナカマドの紅葉

ナナカマドの紅葉


黄葉。紅葉。

黄葉。紅葉。


登るほどに黄葉してきた

登るほどに黄葉してきた


針ノ木沢一望。よく登ってきたな~。

針ノ木沢一望。よく登ってきたな~。


最後の胸突き八丁

最後の胸突き八丁


針ノ木小屋

針ノ木小屋

 

小屋では多くの人が思い思いに過ごしていた。針ノ木谷側から登ってきた我々にご婦人が興味津津のようで盛んに話しかけてきた。Nさんは真っ先に小屋に飛び込みラーメンを注文していた。

針ノ木峠。ここが今回のピーク。

針ノ木峠。ここが今回のピーク。


針ノ木峠のテント場

針ノ木峠のテント場


しばし休憩

しばし休憩

 

しばらく休んでから針ノ木雪渓を下り始めた。雪渓歩きはほとんどないようで簡易アイゼンは不要とのこと。ガスに覆われた谷のジグザグ道を黙々とくだった。日本3大雪渓のこの谷は雪崩の巣でもある。その地形はいかにも雪崩れそうな形状だった。岩陵が迫るノドと呼ばれるところはいまだ雪渓が残り左岸に巻道が付けられていた。これが結構な難所で鎖の連続だった。そこを過ぎてからも雪渓は続き我々は巻道に追いやられた。おかげでコースタイム2時間の大沢小屋まで3時間以上かかってしまった。大沢小屋からは約1時間で扇沢に到着。こうして楽しく充実した3日間が終了した。

針ノ木雪渓上部を下る

針ノ木雪渓上部を下る


高巻道へ

高巻道へ


のどの入り口

のどの入り口


のどの下部 くさりの連続でした。

のどの下部 くさりの連続でした。


針ノ木雪渓ののど

針ノ木雪渓ののど


雪渓を下る

雪渓を下る


針ノ木雪渓を見上げる

針ノ木雪渓を見上げる


大沢小屋

大沢小屋


登山口到着 おつかれさまでした~。

登山口到着 おつかれさまでした~。

 

今回の山旅、ピークが針ノ木峠でいわゆる山のピークハントが目的ではなかったが、湖の渡航あり、釣りあり、焚き火あり、そして沢登り、雪渓下りありと、実に変化に飛んだ楽しい山行となった。このようなバリエーション的ルートを開拓するのも一考である。

 

2015年8月23日-25日 黒部川完全制覇?

By , 2015年8月26日 7:10 AM

ここ最近は比較的天候が安定する8月下旬に夏休みをとるのが恒例。しかし近年、この天候が安定しない。昨年はずっと雨で、強行した白峰三山縦走も終始ガスの中。眺望はゼロ。今年はどうか。

当初、北東北の涼を求めて裏岩手縦走計画を立てていた。天気予報がコロコロ変わる中いよいよ出発前々日。双子の台風が前線を押し上げ東北地方に停滞するらしい。東北はあきらめるしかなさそう。台風の間隙をぬって比較的晴れそうなのが北陸地方だ。かねてより模索していた黒部川源流の雲ノ平への転戦を決めた。

というわけで一路折立へ。岐阜側から入った。

計画は3泊4日で薬師沢小屋経由で雲の平、水晶岳、鷲羽岳、黒部五郎岳を周遊する予定。しかし前夜天気を確認すると台風が中国近畿地方を北上し北陸地方もかすめる予報。4日目は確実に雨のようだ。無理せず2泊3日のピストンも視野に出発。

太郎平小屋の先はケータイ圏外で天気の詳細が確認できない。山小屋での情報も特に変化がないため、結局、薬師沢小屋と雲ノ平山荘に泊まりながら、その端を発する鷲羽岳の登頂と源流イワナとの出会いを堪能する「黒部川」をテーマとした2泊3日の山行となった。

この旅が黒部川完全制覇なるか?

 

【1日目】


太郎平小屋

太郎平小屋


薬師沢小屋横のつり橋

薬師沢小屋横のつり橋


黒部川源流

黒部川源流


黒部イワナ

黒部イワナ パーマークとオレンジの斑点が特徴


源流域とはいえ圧倒的な水量

黒部川本流 源流域とはいえ圧倒的な水量


黒部イワナ

黒部イワナ


薬師沢小屋横の流れ

薬師沢小屋横の流れ


薬師沢小屋夕景

薬師沢小屋夕景

 

【2日目】

薬師沢出合

早朝の薬師沢出合


雲ノ平の玄関 アラスカ庭園

雲ノ平の玄関 アラスカ庭園


薬師岳

薬師岳


槍がのぞく

槍がのぞく


雲ノ平山荘

雲ノ平山荘


雲ノ平山荘

雲ノ平山荘 高原ホテルのようでした


高天原を望む

高天原を望む


スイス庭園に足をのばす

スイス庭園に足をのばす


圧巻の水晶岳

圧巻の水晶岳


鷲羽岳の雄姿

鷲羽岳の雄姿


鷲羽岳山頂

鷲羽岳山頂


黒部川最源流域

黒部川最源流域


雲が迫る鷲羽岳稜線

雲が迫る鷲羽岳稜線


イワギキョウ

イワギキョウ


祖父(じじ)岳のケルン群

祖父(じい)岳のケルン群


岩苔乗越の水場=黒部川の最初の一滴

岩苔乗越の水場=黒部川最初の一滴


黒部川最初の一滴

黒部川最初の一滴

 

【3日目】

朝焼けの水晶岳

朝焼けの水晶岳


チングルマ

チングルマ


雲ノ平より笠ヶ岳

笠ヶ岳


槍ヶ岳

槍ヶ岳


沢イワナ

沢イワナ

 

【おまけ】

黒部川河口の標識

黒部川河口の標識


日本海にそそぐ黒部川

日本海にそそぐ黒部川

帰路、海鮮浜焼きに舌鼓を打ちながら日本海沿いをのんびりドライブ。途中黒部川を渡る橋があった。思わず河口に向かった。数日前、鷲羽岳に最初の一滴を見たばかりだ。そしていま海にそそぐ黒部川を目の前にしている。これで黒部川完全制覇達成かな?

おわり