11.11.12-13 ヤブこぎ読図縦走 七人作り尾根

By , 2011年11月12日 8:49 PM

名前が印象的で、数年前から気になっていた「七人作り尾根」。コアなルートなのでなかなか機会に恵まれなかったが、志向派のモノ好きメンバーが集まり、やっと計画することができた。安倍奥エリア随一の激ヤブルートと言われ、詰めは日本三大崩れ「大谷崩」の縁に沿って登るスリルもあり、どれほどのものかと期待が大きかった。

スタートは新田稲荷神社の急な石段から。社殿の裏手から植林帯の急登が延々と続き、水場が無いため1人3リットル強の水を担いだ荷は重く、キツイ・・・。息を切らして登り、1時間30分ほどで朽ち果てそうな山名標が置かれた「七人作りの峰」に着く。ここまではふくらはぎが伸びに伸びた急坂だったが、ヤブは無く歩きやすかった。この後、斜度は緩やかになるものの徐々にヤブが濃くなる。とはいえ、ところどころ何となく踏み跡らしきものがある。あちこちにケモノ道が見られたが、天候もまあまあで比較的尾根は明瞭なので地図とGPSを使いながら、迷うことも無く快調に登った。

新田稲荷神社の急な階段から始まる

尾根の名の由来となっている「七人作りの峰」には山名標があった

 

また、ヤブが深いといってもだいたいがクマザサだ。東北、アルプスの山々で苦しめられるネマガりタケやシャクナゲ、ハイマツなどのヤブ漕ぎに比べれば大したことはない。沢の詰めなどでそれを体験している面々にとっては背丈ほどあるクマザサのヤブも何のことは無く、トップを交代しつつルーファイを楽しみながら進んだ。

事前にネット情報などで予想をつけていたコースタイムも、区間区間で約30分ほど早く、幕場には13時30分過ぎに順調に到着。幕場は尾根が緩やかになる1766mピークの先を狙っていたが、地形図ではわからな小さな起伏が随所にある複雑な尾根で、平坦な良い場所を探すのに少々苦労した。今日一日、登山者とは一人も出会わず、山そのものを我々が独占しているといった心地良い感覚だ。1日目の夜は、クマザサと深い森が広がる幕場で楽しく飲んで語らった。

2日目は、下山後のバス時刻が心配だったので6時に出発。幕場からは木々の間に朝焼けを背にした富士山のシルエットが美しかった。本日は、いきなりハチビツ山(25000/1地図に名称は載っていない)への急登からスタート。幕場から前方に見上げた山容は大きく、「あれを登るのかぁ~」とゲッソリしてしまった。ルートも1日目に比べるとかなり不明瞭になってきた。ただクマザサの背丈が低くなってきたのでヤブは漕ぎやすい。

ハチビツ山はほぼ急斜の直登。クマザサをつかんで四肢を使って登る。中腹くらいから「大谷崩」のガレ場が見え始め、徐々にその縁に沿って登るようになる。景色は雄大・・・というより足場が崩れないか心配で緊張した。

背丈ほどあるクマザサのヤブ尾根が続く

正面にハチビツ山の大きな山容が迫る

 

ハチビツ山から大谷嶺山頂までは大谷崩のガレ縁スレスレを登り、絶景&スリル満点!

ハチビツ山から大谷嶺山頂までは大谷崩のガレ縁スレスレを登り、絶景&スリル満点!

ハチビツ山まで幕場から90分ほどを見ていたが、1時間ほどで到着できた。ここからは傾斜は緩くなるが、山頂まで左に大谷崩を見下ろしながら縁ギリギリを行くスリリングな登りとなる。あまりにギリギリ過ぎて滑落が心配な箇所は、右側の傾斜のある片斜面をクマザサを掴み、漕ぎながらトラバース気味に登った。

ハチビツ山までは読図練習のため、メンバー交代でトップを歩いたが、山頂まではリーダー権限でトップをやらせてもらい、ハチビツ山から約1時間の所要で8:30に大谷嶺山頂ゴール!幕場から山頂までは3時間ほど見ていたが、結果的に2時間ほどで突破できた。参考にしたネットの記録はほぼ単独行のタイムだった。やはり1人というのは読図ルートの場合ルーファイに慎重になり、時間がかかるのだろう。余裕のコースタイムで到達できたのは、まさにパーティシップの為せる技だと実感した。





ハチビツ山から大谷嶺山頂までは大谷崩のガレ縁スレスレを登り、絶景&スリル満点!   by kuniko

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